思い出

  • この時期になると思い出すことがある。今まで、自分は、先生や先輩、友人には非常に恵まれてきている*1が、その中でも忘れられない人がいる。大学1年の時に準硬式野球で部活をしていたが、非常に面倒を見てくれてかわいがってくれる一つ上の先輩がいた。人間的にとても尊敬できる人で、大好きだった。6月ぐらいまでは、腕を骨折していてほとんど顔を出されなかったが、夏ぐらいに復帰されてからは、キャッチボールからトスバッティングなど二人組でするものは何でも引っ付いて回った。技術的なアドバイスや心構えも教えて貰ったし、キャッチャーをしていた方だったのでピッチングを受けて貰ったこともある。練習で打ったときは自分の事のように喜んでくれた。その方との話だが、ちょうど今時分、バッティング練習の時、やっとコツをつかんで打球が前に飛ぶようになったし、いい当たりも飛ぶようになった。それまでは、バッティングセンターでは打てるものの、部活のバッティングマシンの球はタイミングが合わせられず、からっきしダメだった。当たってもファールが多かった。で、バッティングが終って、交代のときに、声をかけてもらった言葉が、「○○、今ので満足してへんやろ?」だった。ホッとしていたときで、また安心しかけていたときだったので、ハッとさせられた。「満足すんなよ」とかそういう言い方ではなかったので、余計に応えた。見透かされていたというのもあったが、自分のことをよく見てくれているというのが嬉しかった。「おまえなら、もっといけるはずや」とも言ってくれたのもありがたかった。新人戦では、バッテリーを組ませてもらったが、不思議と落ち着いて投げることができたし、ストライクも入った。落ち着かせ方、言葉のかけ方、気合いの入れ方が非常に上手な先輩だった。合宿のとき、トスバッティングにずっと付き合ってくれて、バッティングの型を作り上げてくれたのもその先輩だった。おかげで、そのときの部の中で飛距離ではトップクラスにまで育てて貰えた。しかし、部と勉強とのバランスを考えたときに、部を中心に生活することが考えられなかったし、学業を優先させ部活を休むことが多いために干されたこともあり、一年で辞めてしまった。一年続けられたのは、その先輩がいてくれたおかげだった。その先輩が辞めると言ったときに、一番引き止めたのが私だっただけに、今でも申し訳なく思っています。辞めてからは全く連絡を取っていないし、どうされているか分からないが、是非また会いたい人です。今でも、ちょくちょく、特に自分が安心や満足しているときに、あの言葉を思い出し、座右の銘ではないが、肝に銘じるようにしています。

*1:幼稚園の年長、小学校の中、高学年はそうでもなかった